UKCPを振り返る

こんにちは、Class of 2017のYMです。今回は、マンチェスタービジネススクールで合計4回実施されるプロジェクトの2つ目であるUK CONSULTANCY PROJECT(以下UKCP)についてご紹介します。    

このプロジェクトは秋タームのNFPプロジェクト(Not for Profit)とは違い、クライアントがチャリティー団体ではなく、KPMGやマイクロソフトなどの大手に加え、中小、スタートアップなど営利企業となります。また、これらの企業は学校にコンサルティングフィーを払い、我々学生がコンサルさせてもらう形となるので、求められるアウトプットの質も必然的に上がります。

 

担当するプロジェクトは約20ある中から、Biddingを経て決まります。Biddingとは、学生が希望のクライアントに対し、事前に与えられた企業情報と課題を基に作成したビジネス案の概要をプレゼンし、クライアントから気に入ってもらえたらそのプロジェクトを担当することができるというプロセスです。当然、人気企業には多くのグループが集まりますが、最終的に一つのグループしか選んでもらえないので、戦略性が求められます。

Biddingに向けては、教師陣から資料作成方法や統計リサーチ方法など、「Manchester Method」と呼ばれる一連のセオリーを週に一回のペースで教わることになります。資料の内容に関してはSurgeryという個別指導もあり、良くできている点と改善が必要な点のフィードバックを直接教授からもらうことができます(右の写真)。更に、スーパーバイザーが一チームに一人付き、教授とは異なる視点からのアドバイスをもらうことができます。このように包括的な指導体制が整っていることがマンチェスタービジネススクールのコンサルプロジェクトの魅力の一つだと思います。

さて、肝心のチームメンバーですが、前回と同様に教員が指定します。どのような基準かは不明ですが、私のチームは金融バックグランドのコロンビア人女性、保険会社でカスタマーサービス担当をしていたチリ人女性、ITインフラ会社でプロジェクトマネジメント経歴を持つイギリス人女性、そしてバイオサイエンス系バックグランドのインド人男性という計5人でした。MBAに来る学生は大抵個性が強いので今回もそれなりの苦労が予想されましたが、皆が前回のプロジェクトで多少なりとも苦い経験や成功体験をしているので、前回のプロジェクトと比べると協調性とやりやすさは感じました。

 

プロジェクト内容については、前述のとおり大手企業に加え、中小、スタートアップなど様々なクライアントからのプロジェクトを選択することが可能です。我々のチームはヘルスケア系のスタートアップ会社と組むことになり、同社が開発したカテーテル患者向け予約管理やトラッキング、安全リスト用のシステムを一括したソフトウェアに対する需要がどれだけあるかを探る、というプロジェクトでした。医療分野の知識がなかったため全て手探り状態でしたが、チームとのディスカッションやクライアント、スーパーバイザーからのアドバイスを参考に地道に取り組みました。

 

私のプロジェクトの面白かった点は、NHS(イギリスの公共医療サービス)のIT化が遅れていることに危機感を持ったクライアントと同じ目線に立ち、実際に病院へのインタビューやサーベイを通じてNHSの現状が垣間見られたことです。カテーテル室では画像診断システム以外にスケジュラー、患者トラッキング、安全チェックリストなどのシステム・プロセスがありますが、どれも個別のシステムを使っていたり、中には未だに紙での管理という病院もあったりして、決して効率の良い運営が行われているとはいえません。これらを一括管理できるシステムを売り込んでNHSサービス効率化及び患者体験の改善に貢献するというのが当プロジェクトの目指すところで、その一役を担えることには意義があると思いました。

 

ただ、病院は基本的に「忙しい」ところなので、インタビューに応じてくれなかったり、サーベイの回答率が低かったりという困難がありました。しかしながら、チーム内で対策を議論し、地道にフォローアップを続けたした結果、最終的には一定の量のデータを集めることができました。これらのデータを定質的な定量的なものに分け、授業で習った統計理論やSWOT/PESTLEなどを用いて分析を行いました。また、この時期はインターンシップの面接が盛んに行われる為、あるメンバーが面接で不在の時は他のメンバーがカバーしたりと、お互い助け合いながらこなしていきました。最終的には、クライアントに満足頂ける分析結果を提出することができたと思います。

 

約半年にわたる長丁場でしたが、このプロジェクトを通じて多くのことを学びました。クライアントと仕事ができたという経験はもちろんのこと、チームメンバーのプロジェクトに対するアプローチや、教授、スーパーバイザーからの親身なアドバイス、そしてメンバーとの丁々発止の議論が良い勉強になりました。時には価値観や文化の違いからすれ違いが起こりましたが、そういったこともひっくるめてオープンに議論できたことがお互いの信頼につながった気がします。

 

UKCPは、まさにマンチェスターMBAの特徴である”Learning by doing”を代表するプロジェクトでした。マンチェスターMBAは18ヶ月間で4つのプロジェクト(3つのコンサルティングプロジェクトと1つのM&Aプロジェクト)を行いますが、これらのプロジェクトにかける時間は合計で900時間以上となっています。これだけみっちりプロジェクトをやるビジネススクールはそんなに多くないと思います。机に向かって理論だけ学ぶよりも、実践をこなして経験値を積みたいと考えていらっしゃる方には是非おすすめできるプログラムです。

   クライアント向けプレゼンテーションの様子                チームメンバーと